16種類の知人
こうしているうちにも月日は流れ、司馬遼太郎とムッシュかまやつの見分けがつかなくなり、いずれはこれに大木凡人も加わる。
アイザック・アシモフとキダ・タローも、最近は見分けがついているのか自信がない。
もともと人の顔を覚えるのが苦手なうえ、似たような顔はかなり大雑把な類似度で分類している。
よってだいたいの人類を16種類程度にしか見分けられていない。
馴れ馴れしく話しかけられると「おっこいつは知人なのかな」と思い、こちらも親しく話をしてしまう。
ある程度話も弾んだところで保険の話に移るので、そこでようやく勧誘だと気づく。
そんな日々が続いている。
猫の顔ならわかるんだけどなぁ。
なかなか、ままならない浮世だと思う。